「自分には、たいした力なんてないなあ」——そう感じる日、ありませんか。私はけっこうあります(笑)。
でも今日は、それとは真逆の話をさせてください。あなたの内側には、生まれたときから一度も消えていない“灯(ともしび)”がある、という話です。
……と、いきなり書くと「うわ、スピリチュアルなやつが始まった」と身構えられそうなので先に言っておきますね。私も半分は「ほんまかいな」と思っています。ただ、20年以上、いろんな会社の“組織の空気が変わる瞬間”に立ち会ってきて、残りの半分では、これをかなり本気で信じてもいるんです。その“半分と半分”のところを、今日は正直に書いてみます。
力は「手に入れる」ものではなく、「思い出す」もの、かもしれない
私たちはつい、力や才能や価値を「外から足していくもの」だと考えがちです。資格を取る、スキルを磨く、経験を積む。もちろん、それも大事。
でも一方で、こんな感覚もありませんか。本当に良い仕事ができたときって、“新しく何かを足した”というより、“もともと持っていたものが、すっと出てきた”感じ。
だとすると、力は足すものというより、思い出すものなのかもしれません。忘れているだけで、もう内側にある。だったら必要なのは、頑張って足すことより、「あ、あった」と気づくことだけ——。そう考えると、ちょっと肩の力が抜けませんか?
私たちは、「見たいものしか見ていない」
ここからが、今日いちばん伝えたいところです。少しだけ、脳と“意識”の話にお付き合いください。
人間の脳は、目の前の情報をぜんぶ受け取っているわけではありません。膨大な情報の中から、「自分が意識を向けたもの」だけを拾って、世界を組み立てているそうです。
分かりやすいのが、あの現象。「赤い車、気になるなあ」と思った翌日から、街じゅう赤い車だらけに見える。 別に赤い車が増えたわけじゃありません。あなたの“意識の向け先”が変わっただけです。
騒がしいパーティーでも、自分の名前だけはなぜか聞こえてくる。あれも同じで、脳は「どこに注意を向けるか」で、体験する世界をまるごと切り替えています。
つまり——同じ現実の中にいても、どこに意識を向けているかで、見えている世界はぜんぜん違う。 これ、けっこうすごいことだと思うんです。「現実」は一つに固定されているようでいて、実は“意識の向け方”次第で、いくらでも表情を変える。
内なる力を引き出す最初のキーは、たぶんここです。力を足すのではなく、「意識をどこに向けるか」を変えてみる。 それだけで、出てくるものが変わる気がしています。
ときどき、“ズームレンズ”を引いてみる
もう一つ。意識には「向ける方向」だけじゃなく、「高さ・広さ・深さ」みたいなものもある気がしています。
たとえば、部下の一言にイラッとした瞬間。カメラをぐっと寄せた状態(=今日の損得だけ見てる)だと、それは「腹の立つ出来事」でしかありません。
でも、そこでちょっとレンズを引いて、「この人と、これから何年も一緒に働くとしたら?」「10年後の自分は、この瞬間をどう思い出すだろう?」くらいまでズームアウトすると……同じ出来事の“意味”が、なんだか変わってきませんか。
事実は一つも変わっていないのに、意識の“引き”を変えるだけで、感じ方が変わる。時間や立場の「こうに決まってる」という枠を、ちょっと外してみる感覚、とでも言いましょうか。この“引く力”も、内側の力の一つだと思っています。
悩みの多くは、「過去の再生」か「未来の予告編」
ついでに、時間の話も少しだけ(しつこくてすみません(;^ω^))。
私たちが悩んでいるとき、その中身をよく見てみると——たいてい「終わったこと(過去)の再生ボタン」を押し続けているか、「まだ来ていないこと(未来)の予告編」を延々と流しているか、どちらかだったりします。
でも、実際に私たちが手で触れるのは、いつも「今、ここ」だけ。過去も未来も、頭の中の映像です。
これは「今を生きよう!」という説教がしたいわけではなくて(笑)、“意識を今ここに戻す”だけで、使えるエネルギーがふっと戻ってくる、という実感の話です。過去の再生と未来の予告編に、私たちは思った以上にバッテリーを食われている。
コミュニケーションは、たぶん“鏡”
さて、ここまでの話を、いよいよ人と人との間に持ってきます。
誰かにイラッとしたり、うらやましくなったり、モヤっとしたとき。その感情は、相手が悪いというより、相手が“あなたの内側にあるもの”を映してくれている——そういう見方もできます。コミュニケーションは、光の反射する鏡みたいなものだ、と。
職場に当てはめると、こうなります。空気が悪い組織は、誰か一人が悪いというより、みんなの“鏡”が少し曇っているだけ。 だとしたら、犯人探しをするより、一人ひとりが自分の鏡を磨くほうが、たぶん早い。
そして面白いのが、人を助けると、なぜか自分も助かるし、人を大切にすると、自分も満たされる、という感覚。鏡だとすれば、当たり前かもしれません。向こうに向けた光は、こちらにも返ってくるので。
じゃあ、内なる力はどうすれば戻る?
長々と書きましたが、結論はとてもシンプルです。特別な修行も、高い壺も要りません(笑)。
・意識を、どこに向けるかを選ぶ(見たいものが、見える世界をつくる)
・ときどきレンズを引いて、大きく・深く眺めてみる
・意識を「今ここ」に戻す(過去の再生と未来の予告編を、そっと止める)
・そして、自分自身と、お互いを、条件なしに大切にする
これだけ。「自分ひとりで頑張らなきゃ」という思い込みから、「まあ、お互い様だよね」へ。そこへ目を覚ましていくだけで、内側の灯は、また明るくなっていく気がしています。
私たちが、組織の空気を変えるお手伝いをする理由
コンサルタントエージェントが研修やコンサルティングで大切にしているのは、スキルの前にある「あり方」です。
一人ひとりが「意識の向け方」を思い出し、内なる力に気づくと、組織の空気は、こちらが驚くほど変わります。 私たちが本当に届けたいのは、その一点——「意図と温もりが巡る組織」です。
あなたの内側の灯は、今日も消えていません。それを思い出す人が一人増えるたびに、まわりの空気は少しずつ、あたたかくなっていく。組織の空気が変わる瞬間は、いつだって、たった一人の“気づき”から始まります。
——と、また少し言い切ってしまいました(笑)。信じるかどうかは、どうぞあなたの内側に聞いてみてください。
—— コンサルタントエージェント 代表 廣川智彦
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