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1周回って、やっぱり「対話」 ——データが指し示した、組織が活きる職場の条件

先日、人事・組織開発の研究会に、久しぶりに参加させていただきました。

そこで教えていただいたのは、ある大手化学メーカーの、最先端の組織活性化の取り組みでした。高い技術開発力で知られる会社ですが、その根っこには、働く方々一人ひとりの真摯な姿勢がある——人事のご担当者のお話から、それがありありと伝わってきたのです。

「やりがい」を、データで見える化する時代

特に印象的だったのは、ワークエンゲージメント(仕事のやりがい、働く喜び)をどう高めるか、という問いに、徹底して向き合っておられたことです。

ポジティブ心理学、ストレングスファインダー(強みの発見)、そして「心理的資本」——目には見えにくい心の動きを、なんと2万人規模の組織で“見える化”しようとされていました。

しかも、研修やコーチングの効果を、実施直後だけでなく1年後にも検証し、データで有意性を確かめている。「目に見えない心」を数字で捉えるその徹底ぶりに、私はただただ感銘を受けました。

データが指し示したのは「なんでも話せる職場」

では、そのデータは何を語っていたのか。

「創意工夫が奨励される職場」「なんでも話せる職場」が、働く喜びと特に強く結びついていた——そう伺ったとき、私は深く頷いてしまいました。

結局のところ、人が伸びやかに力を発揮できるのは、安心して声を出せる場所なのです。これは、私がいつも申し上げている「組織の空気」そのものの話だと感じました。

1周回って、求められるのは「深い対話」

そして、その先に見えてきた次の課題が、「対話のスキル」でした。

まずはマネージャーから。けれど対話は一方通行では成り立ちませんから、やがては一人ひとりへと広がっていきます。

「対話が大事」とは、ずっと昔から言われ続けてきた言葉です。けれど今、ぐるりと1周回って、より深いレベルの対話が求められる時代になってきたのだと思います。表面的な会話ではなく、相手の奥にある想いに、静かに耳を澄ますような対話です。

深い対話は、「整った自分」から生まれる

ただ、深い対話は、技術(スキル)だけでは生まれません。

自分の心がざわついていれば、相手の本当の声は受け取れない。だからこそ私は、人と対話する前に、まず自分自身との対話(自己対話)で内側を整えることを大切にしています。

自分を整え、相手を「お互い様」として尊重する。その土台の上にこそ、スキルとしての対話が、本当の意味で活きてくるのだと感じています。

結びに

組織の空気は、結局のところ、そこで日々交わされる言葉の質でできているのかもしれません。

特別なことではありません。今日、目の前のたった一人と、どれだけ本当の言葉を交わせるか。その小さな積み重ねの先に、「喜びの中で生産性が上がる組織」が、静かに育っていくのだと思います。

さて——あなたの組織では今日、どんな対話が生まれているでしょうか。

—— コンサルタントエージェント 代表 廣川智彦

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